ファッキン、貧乳・ガール

数ヶ月前に劇的に袂を分かった女の泥酔したる醜態ともいうべき惨状の、他人の家(私でさえ「同居人」の位置に甘んじている我が親愛なる友人宅)において乱れ抜け落ちる髪の毛だったりなんだったり脱ぎ捨てられる《花柄のスカート》だったり吐いたり泣いたりと共に迎える朝は高田馬場に自然すぎるくらい似つかわしくて、ただここが、つまり高田馬場の"そういう"区域ではないわけであってしかも(重ね重ね強調したいが)ここがあくまでわたしがルーム・シェアをしている『友人宅』であることに、打って変わって不自然すぎて笑えるくらいの非日常性が演出されていることに気づいて冷や汗が垂れようかと思われたが室温が低すぎて汗はあんまりかかない。とにかく当初の予定では5時に学館に連れていく予定だったけどまだ洗濯機の届いてない洗濯機置き場でいびきをかいているものだから6時を過ぎた今もわたしは寝られないでいる。『今生の別れ』(二人は仏教徒)を事実上行ったはずだったのに、今宅飲みという形で5時間も話し合ったあと泥酔した卍元カノ卍を介抱(介護)してるのはいったいどういう風の吹き回しなのだろう。あぁ、釈迦牟尼仏よ、家主がまだしばらく起きないようになにかと計らってくれ給え。四時半に律儀に彼女のスマホのアラームは鳴るし、それをリセットする時にふと気になって目に止まってしまったはてなブログ(ごめんなさい。おかあさん。わたしは人のスマホを覗き見ないと安心して夜も共に寝られないのです)には、ありったけの『元彼』の悪口と《試しに》卍倫理卍を失ってみたという彼女の遊びについてつらつらと書かれていて、やれBUMPが聞けないだのやれユニゾンが憎いだの、Galileo Galileiの夏空を聴くと虫唾が走るだの(その曲で毎朝起きてたもんね)なにかと色々書かれてたしご丁寧に注釈までついて※別れた恋人の悪口なんて普通言うものだものね。とか捕捉されていたけど、申し訳ないがわたしは失敗してきた人間関係を自分の「コンテンツ力」丁寧にいうなら自分を面白く見せるための格好のネタとして消費する以外にうまく"ヘラ"を脱出できる解決策を知らない。ついでに一方的にブロックしたラインが向こうではまだ残っていたのでのぞいてみると何やら長文が送られていたが率直に述べさせてもらうと自分の中だけで勝手にロマンチックな失恋を演出して欲しくないし当てつけみたいにその文章の上に置かれたわたしのラインのハンドルネーム、本名と相違ない漢字四文字が白抜かれていることもなんか本当に気に入らないねぇ。気に入らない。そもそも人のスマホを覗くな。どうでもいいけど人の悪口を並べた後に思い出したように(仏教を勉強しているとは到底思えない)と恨み言が書かれていたけれど仏教は倫理の講義ではないし人の倫理を問うなら自分のその首筋に付いたキスマーク(今日も俺には見えていた)それを焼き消して来い。「それ何?」って聞いたら「『彼氏さんにバレちゃうね』だのなんだの言われながら付けられた」旨を報告されたことがまだ頭に染み付いて離れないのがバームーンウォーク西早稲田店。2月の14日,このマンションの斜向かい。馴れ馴れしく膝の上に頭を置いてきた時は首を絞め殺して家賃の発生を待たずしてこの金子ビルを訳あり物件に仕立て上げてしようかと"血迷った"けど、この状況を見てもう何をする気力も出てこない。起きろ。